トランプ大統領は、イランの首都テヘランの住民に即時避難を呼びかけた。イランが核放棄の合意を拒み続ければ、破滅的な結果を招くとし、「イランが核兵器を持つことは絶対に許されない」と、長年にわたり繰り返してきた警告を改めて強調した。
6月16日に、自身のSNSに「イランは私が提案した『合意』に署名すべきだった。なんとも恥ずべきことか、人命の無駄だ。はっきり言えばイランは核兵器を保有してはならない。私は何度も何度もそう言ってきた! テヘランの全員は直ちに避難すべきだ!」と投稿した。
トランプ氏の警告直後、イランの国営メディアは、テヘラン上空で爆発音と激しい対空防衛システムの発射が確認されたと報じた。
一方、イスラエル国防軍(IDF)は16日、テヘランの一部地域の住民に対し、軍事インフラを標的とした差し迫った空爆を警告し、避難命令を発令した。
「親愛なる市民の皆様、安全のため、テヘラン第3区の指定された地域を直ちに離れてください。今後数時間以内に、イスラエル軍はこれまで数日間テヘランに行ってきたように、この地域にあるイラン政権の軍事インフラを攻撃する。この地域に留まることは命の危険を伴う」と、IDFのアラビア語報道官アビハイ・アドラエ大佐がXに投稿した。
SNS上では、人口約900万人の都市・テヘランから避難する市民の様子を映した動画が多数投稿されている。
トランプ大統領とIDFの警告は、緊張が高まる一連の敵対行動に続くものである。先週、イスラエル軍は「ライジング・ライオン作戦」と名付けられた大規模な空爆を開始し、イランの核施設や軍事目標を攻撃した。これに対し、イランはイスラエル各地に向けて複数のミサイルとドローンを発射した。イスラエルの防空システムが広範囲で防空警報を発令し対応している。
イスラエルのネタニヤフ首相は、この軍事作戦の目的が、イランの核およびミサイル計画による実存的脅威を排除することであると述べた。
Foxニュースのインタビューで、「我々は、核の脅威と弾道ミサイルの脅威という二つの実存的脅威を排除するという二重の目標を達成するために、必要なあらゆる手段を講じる準備ができている」と述べ、「この扇動的な政権から世界を守ろうとしている」と付け加えた。
トランプ氏はこれまでもイランに対し、核開発を断念し交渉のテーブルに戻るよう繰り返し警告してきた。
トランプ氏は投稿で「イランは今すぐ合意すべきだ。さもなければ、すべてを失うことになる。かつて「ペルシャ帝国」と呼ばれた国家を救うのだ。もう死は許さない。破壊は許さない。手遅れになる前に、ただ行動を起こすのだ。神のご加護を!」と述べた。
激化する紛争の中、オマーンで予定されていたイランとアメリカの核交渉は中止された。イラン当局は、イスラエルの軍事攻撃を受けて対話はもはや意味をなさないと宣言した。
トランプ政権が中東地域へのアメリカ軍の増強を進めている。ヘグセス国防長官は、中東を含むアメリカ中央軍(USCENTCOM)管轄地域への追加部隊の派遣を発表した。
16日の声明で「アメリカ軍の保護が最優先であり、これらの増強は地域における我々の防衛態勢を強化する目的である」と述べた。
13日、ルビオ国務長官は声明で、イスラエルの攻撃は一方的なものであったとしながら、イランに対しアメリカの利益や人員を標的にしないよう警告した。
イラン保健省は、13日以降、国内で少なくとも224人が死亡し、複数の高級軍事当局者が含まれると発表した。
イスラエルは自国民24人が死亡したと報告している。
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