「未完の革命」あれから6年──故郷・香港を追われてもなお、香港人たちは沈黙せず。
雨のなか、自由の地・台湾で行われたデモが示したのは、「自由を諦めない」という不屈の意志と、「もう一つの故郷である台湾を守る」決心だった。
台北に響いた「香港の叫び」
2019年に香港で勃発した「民主化デモ(反送中運動)」から6周年に際し、6月12日夜、台北で在台香港人団体や台湾人権団体による追悼デモが開催された。
当日は悪天候にもかかわらず、200人以上の参加者が西門駅から自由広場までを行進し、「光復香港、時代革命」のスローガンを掲げ、民主と自由の継続的な闘いを訴えた。

主催の「香港邊城青年(台湾に在住する香港出身者たちによって立ち上げられた団体)」の責任者・馮詔天(フォン・ジャオティエン)氏は、「私たちは単なる追悼のために街頭に出たのではない」と強調し、香港の現状と中共の圧政に対する継続的な関心と行動を訴え、「香港人は諦めてなどいない、抵抗し続ける」と決意を新たにした。
また、いまは解散した香港で大規模デモを主催してきた民主派団体「民間人権陣線(民陣)」の発起人・鄭司律さんは「この闘いは歴史ではなく現在進行形だ」とし、台湾社会に対し「中共の浸透工作はすでに始まっている」と警告。

参加者の小詩さんは「私は故郷(香港)を失った。だからこそ、台湾は守らなければ」と語り、他の参加者らからは「亡命は終点ではない。むしろ、ここからが次の自由を構築する始まりだ」との声も聞かれた。
デモの最後、参加者全員で香港の象徴的な歌『願栄光帰香港』を合唱。集会は香港民主化運動のスローガン「光復香港・時代革命(香港を解放せよ・革命の時代だ)」の掛け声とともに締めくくられた。
主催者は「まだ夜は明けていないが、私たちの光は消えない。人がいれば火は絶えない」と宣言し、未完の闘いに新たな誓いを刻んだ。

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