財務省の発表(推計)によると、2024年末時点の日本の対外資産総額は1659兆221億円となり、16年連続で増加した。対外負債残高1125兆9721億円を差し引いた対外純資産は533兆500億円で、6年連続で過去最高を更新した。
海外投資の拡大が資産増を牽引
日本企業によるアメリカやオランダへの直接投資の増加、保険や小売分野での海外投資拡大が対外資産の伸びを後押しした。例えば、セブン&アイ・ホールディングスの北米事業強化や、ソフトバンクの海外投資などが寄与している。
円安でドイツに首位譲る
しかし、ドイツの対外純資産が約569兆6512億円(推定)に達し、日本は34年ぶりに世界首位の座を明け渡し、2位に後退した。背景には、2024年末の為替レートが1ドル157円前後(前年末1ドル約141円比で約11%円安)、1ユーロ約180円と円安が進んだ影響がある。これにより、ドイツの外貨建て資産の円換算額が大幅に膨らんだ。
他国の状況
中国は対外純資産516兆2809億円(推定)で3位を維持。一方、アメリカは経常赤字が続き、純債務は約23兆ドル(約3611兆円、1ドル157円換算)に達し、世界最大の純債務国となっている。これは、海外からアメリカへの資産流入(負債)が、米国の対外資産を大幅に上回るためだ。
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